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【私の初めてのひとり旅(一人旅)】市川知宏さん 広島、鹿児島(1)

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【私の初めてのひとり旅(一人旅)】市川知宏さん 広島、鹿児島(1)

いちかわ・ともひろ[俳優]
1991年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。2008 年、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞。09年、テレビドラマ「カイドク〜都市伝説の暗号ミステリー〜」で俳優デビュー。20〜21年、特撮ドラマ「仮面ライダーセイバー」でユーリ/ 仮面ライダー最光役を演じ、25年のNHK連続テレビ小説「あんぱん」ではヒロインの幼なじみの海軍中尉役を演じるなど、ドラマ、映画、舞台で活躍中。

19歳でひとり旅の楽しさに開眼、原爆ドームも宮島も行ってこそ

初めてのひとり旅は広島でした。2011年2月、19歳の時です。学園ドラマの撮影の合間に共演者の方々と話をして、自分の見てきた世界が狭いと感じました。旅をして見聞を広めたいと思っていたところ、撮影期間に休みができたので衝動的に宿と新幹線の予約をしました。

その頃、大学の講義で戦争について考える機会があり、唯一の被爆国に生まれたのに広島の原爆ドームを見たことがなかったので、いつか訪れたいという思いを抱いていました。共演者の1人が広島出身でその良さを聞いていたこともあり、訪ねてみることにしたのです。元来、他者に気を遣ったり遠慮したりするタイプなので、誰かと一緒に行動するよりひとりの方が気楽。それでひとり旅を選びました。

新幹線で昼頃に広島に着き、原爆ドームへ。ドーム部分と外壁だけが残る実物を目にして胸に迫るものがありました。平和記念資料館では被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や絵などを見学し、当時の様子をより深く知ることができました。目を背けたくなるほど悲惨な光景でしたが、見なくてはいけない、忘れてはいけないという思いを強く持ちました。

2.原爆ドーム_M.jpg
19歳で訪れた原爆ドーム。戦争の悲惨さを知った(写真/ピクスタ)

ライトアップされた夜の原爆ドームも見に行きました。昼間とは違う景観で厳かな気持ちになりました。夕食はお好み焼きを食べました。ホテルから近い商店街に何軒ものお好み焼き店が並んでいて、雰囲気の良さそうな店に入りました。おいしかったけど、未成年でお酒も飲めず、食事をしただけ。今なら店の人ともっと会話もできたと思います。

翌日は宮島へ。海に立つ鳥居を見てみたいという好奇心からでした。フェリーに乗るのも初めてで、チケットの購入から乗船まで不安と高揚感がありました。嚴島(いつくしま)神社の鳥居は想像よりも小さく感じたこと、宮島にはたくさんの鹿がいたことなど、実際に行かないと分からないことがたくさんあると気付かされました。

特別な出来事があったわけではないけれど、ワクワクしてひとり旅は楽しいなと感じられたのもよかったです。何でも自分で決めて行動して、少し大人になった感覚でした。

話/市川知宏 聞き手/田辺英彦

【私の初めてのひとり旅(一人旅)】市川知宏さん 広島、鹿児島(2)へ続く


(出典:「旅行読売」2025年12月号)
(Web掲載:2026年1月17日)


Writer

田辺英彦 さん

東京都大田区出身、埼玉県在住。旅行ガイドブック編集・執筆、出版業界誌執筆などを経てフリーランスに。東北・八幡平の温泉群と、低山ハイク、壊れかけたもの・廃れたものが好き。

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