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【家康の城へ】「江戸始図」で歩く幕府の本拠地 江戸城(2)

場所
> 千代田区
【家康の城へ】「江戸始図」で歩く幕府の本拠地 江戸城(2)

1657(明暦3)年の大火で江戸城の天守が焼失。天守台は完成するも、重臣らの進言で新天守の再建は見送られた

 

巨大な天守台に立っていた天守はどんな形?

【家康の城へ】「江戸始図」で歩く幕府の本拠地 江戸城(1)から続く

大手門から「皇居東御苑」として一般公開されている本丸・二の丸跡へ入る。登城者を監視した同心番所、百人番所を過ぎ、中之門跡から急坂を上り、中雀門(ちゅうじゃくもん)跡を過ぎると、いよいよ本丸跡に到着だ。

現存する江戸城百人番所
9代将軍・家重時代の庭絵図を基に復元された二の丸庭園

現在は芝生広場だが、3代家光の時代には北側に向かい表(おもて=中央政庁)、中奥(なかおく=将軍の居住区)、大奥(おおおく)の本丸御殿(ごてん)が並び、最奥に天守がそびえていた。天守は家康、秀忠、家光がそれぞれ築造し、秀忠と家光は独立式天守を採用した。家康の天守は長く謎だったが「江戸始図(えどはじめず)」により、国宝の姫路城と同じ大天守と小天守を渡り廊下で結んだ連立式天守だったことが明らかになった。

昔は海が見えたという東御苑・汐見坂
東御苑の本丸休憩所では家光が築城した寛永期の江戸城天守復元模型を展示

桝形と馬出しを組み合わせた実戦向きの要塞

さらに、家康は江戸城の北側に重の馬出しを設けた。馬出しは門前に土橋などで繋いだ空き地を造り、敵を迎え撃ったり、好機に城外へ出撃したりするための工夫だ。

前述の外枡形は織田・豊臣氏に代表される西国で、馬出しは北条・武田氏など東国で採用された城郭の特徴といえる。つまり、家康は東西の〝いいとこ取り〟をしたわけだ。当時、征夷(せいい)大将軍を任じられたとはいえ、いまだ豊臣氏の勢力は大きく、万一の決戦を想定して実戦向きの要塞に仕立てたのだろう。

明暦の大火後、代用天守となった富士見櫓
皇居東御苑の北側にある北桔橋門

北桔橋(きたはねばし)門から北の丸公園に入り、現存する最古の門、田安(たやす)門をくぐる。左側に見えるのが桜の名所・千鳥ヶ淵。江戸城の飲料水を蓄えるため池として造成された。そのまま千鳥ヶ淵沿いを歩き、代官町通りを渡ると、まもなく半蔵門が見えてくる。

ここから外桜田門までの桜田濠は平均幅約67メートルの水堀を挟んで、深い堤塘(ていとう=土手)が続いており、圧巻のスケールだ。自分が攻め手の立場で見てみると、瞬時にやる気が失せた。してやったり。家康のほくそ笑む顔が見えるようだった。

文・写真/内田 晃

 


東京国立近代美術館

皇居さんぽの立ち寄りスポットとしておすすめ。北桔橋門の近くにある日本初の国立美術館。横山大観、菱田春草、岸田劉生らの重要文化財の作品を含む約1万3000点の作品を所蔵。2階のレストラン「ラー・エ・ミクニ」では〝芸術と料理”をテーマにフレンチとイタリアンを融合させた料理が味わえる。

■10時〜16時30分(金・土曜は〜19時30分)/月曜(祝日の場合は翌日)休、年末年始休/所蔵品展500円/地下鉄東西線竹橋駅1b番出口から徒歩3分/℡050-5541-8600(ハローダイヤル)※データは掲載時のものです。

柱で全体を持ち上げたような施設の設計にも注目
所蔵作品展では会期ごとに約200点を展示

CAFÉ33

北の丸公園内にあるカフェで散策途中の休憩に便利。2022年7月にリニューアル。看板商品ピッツァ アル タリオはローマ発祥の料理で、大きな一枚のピザを縦20㌢、横10㌢にカットする。定番のマルゲリータから、国産野菜をトッピングしたものなど5種がある。カフェドリンクのほか、イタリアのビールも販売。

■9時〜17時/北の丸公園に準ずる/地下鉄東西線九段下駅2番出口から徒歩10分/℡03-3214-3730 ※データは掲載時のものです。

生ハムとモッツァレラのパニーニなど、サンドウィッチも人気
日本武道館近くにある

皇居東御苑

入園:9時〜15 時30分(時期により変更あり)/月・金曜休(祝日は公開し、月曜が祝日の場合は火曜休)、年末年始休/無料

交通:東京駅丸の内北口から徒歩15分で大手門

℡:03-3213-1111(宮内庁)

※データは掲載時のものです。

 

(出典:「旅行読売」2023年2月号)

(Web掲載:2023年2月24日)

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Writer

内田晃 さん

東京都足立区出身。自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。四国八十八ヵ所などの巡礼道、街道、路地など、歩き取材を得意とする。著書に『40代からの街道歩き《日光街道編》』『40代からの街道歩き《鎌倉街道編》』(ともに創英社/三省堂書店)がある。日本旅行記者クラブ会員

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