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【家康の城へ】豊臣家と徳川家の野望がうずまく 大阪城(2)

場所
> 大阪市
【家康の城へ】豊臣家と徳川家の野望がうずまく 大阪城(2)

大阪城三代目天守。外観は秀吉の「大坂城」を再現している

 

西の丸庭園から天守を眺める

【家康の城へ】豊臣家と徳川家の野望がうずまく 大阪城(1)から続く

天守の北側にある「山里丸」は、秀吉の「大坂城」から引き継いだ名前で、秀吉の頃は山里の風情の中でお茶を楽しむ空間だったという。山里丸から内堀にかかる「極楽橋」も、秀吉の頃からこの付近にあった。橋を渡り、二の丸から眺める天守は一幅(いっぷく)の絵のように美しい。往時も強固なだけでなく、さぞかし雅な城だったことだろう。

山里丸の一角に「豊臣秀頼・淀殿 ら自刃(じじん)の地」碑がある。平成になって建てられ たもので、実際の自刃の地は定かではないという

今は広大な芝生が広がる西の丸庭園からも、天守が見える。現在の天守は昭和の初め、文献資料や絵画などをもとに研究を重ね、安土桃山時代の秀吉の「大坂城」を再現したもの。家康が眺めた光景と重なる。

家康は勝手に建てた4層の天守から、どんな思いで秀頼のいる大天守を見上げていたのだろうか。その後、自ら攻め落とし炎上する姿を想像したろうか……。

西の丸庭園から眺めた天守(2022年1月撮影)

大坂の陣の激戦地や戦没地を歩く

大坂の陣は大阪城周辺が舞台。近隣には、ゆかりの場所も数多くある。天王寺駅周辺には、家康が大坂冬の陣で本陣を構えたという茶臼山や激戦地に一心寺(いっしんじ)、真田幸村の戦没の地と伝わる安居(やすい)神社なども残る。時間があれば、ぜひ足を延ばしたい。

文/高崎真規子 写真/宮川 透

 


一心寺

大坂の陣の激戦地となった場所にあり、夏の陣では真田幸村と家康がこの寺で直接対決。幸村が家康を追いつめると、松の巨木から霧が噴出し、家康の姿を隠して救ったと伝わる。境内から徒歩2分ほどの存牟(ぞんむ)堂には大坂の陣歴史散策案内所があり、現在の地図と古地図を重ね当時の地形や東軍西軍の動きを再現した大坂夏の陣のアニメを無料で上映。大坂の陣ゆかりの地散策のヒントにもなるのでぜひ立ち寄りたい。

 

北門を入ってすぐの石段沿いにある「霧ふりの松」の石碑。今は朽ち果てた松の切り株が残る
存牟堂のアニメの上映は9時~15時50分

茶臼山

大坂冬の陣では徳川家康、夏の陣では真田幸村が本陣を構えたと伝わる。山頂は標高30㍍弱と小高い丘だが、周囲の木々がなければ、戦場を見渡すのにはちょうどいい場所だ。現在は天王寺公園として整備されており、一心寺存牟堂の向かいの「一心寺四天王寺方面出口」から入るのが便利だ。

茶臼山の山頂。案内板と石 碑が置かれている

千成屋珈琲

1948年創業のミックスジュース発祥の店。大阪新世界のジャンジャン横丁に果物店を開いた初代店主が、完熟の果物を独自の配合でミキサーにかけ、店頭で提供したのが始まり。現在はバナナ、リンゴ、ミカン、モモを配合。甘すぎず、みずみずしくてやさしい味だ。クリームソーダやプリンアラモードなど、昭和の懐かしいメニューも多数。

ミックスジュース
プリンアラモード

大阪城(大阪城天守閣)

入城:天守閣は9時~16時30分(季節により異なる)/年末年始休/600円
交通:地下鉄谷町線谷町四丁目駅、大阪環状線大阪城公園駅、京阪電車天満橋駅から徒歩約20分
TEL:06・6941・3044(大阪城天守閣)

一心寺

5時~18時/無休/無料/大阪環状線、地下鉄谷町線・御堂筋線天王寺駅から徒歩15分/詳細は一心寺のホームページを参照

茶臼山

7時~22時/無休/天王寺駅から徒歩15分/TEL 06-6761-1770(真田山公園事務所)

千成屋珈琲

11時30分~18時30分(土・日曜、祝日は9時~)/木曜(祝日の場合は翌日)休/地下鉄御堂筋線・堺筋線動物園前駅から徒歩2分/TEL 06-6645-1303 

※データは掲載時のものです。

 

【家康メモ】

豊臣家の力の象徴だった城徳川家康が初めて大坂城を訪れたのは1586(天正14)年のこと。前年に関白に就任した秀吉への臣従のためだった。秀吉が亡くなった翌年の1599(慶長4)年、秀頼を訪問した際には、西の丸に4層の天守を建て、数か月間滞在している。城主でもないのに本丸とは別に天守を建てるとは何事かと、豊臣家の奉行衆が出した家康を弾劾する手紙にも書かれ、関ヶ原の合戦の原因にもなったと伝わる。そして家康は1615(慶長20)年、大坂夏の陣で大坂城を攻め、豊臣の天下に終止符を打った。

 

(出典:「旅行読売」2023年2月号)

(Web掲載:2023年3月12日)

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Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。

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