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絶景、食、歴史〝懐かしい〟がここにある 南会津町気ままさんぽ(2)

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> 南会津町
絶景、食、歴史〝懐かしい〟がここにある 南会津町気ままさんぽ(2)

「南会津蔵の会」4蔵の地酒。左から国権酒造(TEL0241-62-0036)、会津酒造(TEL0241-62-0012)、開当男山酒造(TEL0241-62-0023)、花泉酒造(TEL0241-73-2029)

 

豊かな自然に恵まれ、気候や風土が生んだ絶品の食に出合える南会津町。東京・浅草から直通の特急列車が運行し、首都圏からのアクセスも良好だ。

町公式キャラクター「んだべぇ」

達人が伝える南会津町 食のおもてなし

<地酒>脈々と受け継がれた伝統ある自慢の銘酒

豪雪地帯である南会津町では、川や地下に流れ込んだ雪解け水が豊かな水源となる。澄んだ超軟水と南会津産の酒造好適米「夢の香」「福乃香」を使い、地酒を醸す4軒の蔵がある。

かつて直江兼続の弟・大国実頼(おおくにさねより)が城代を務めた鴫山(しぎやま)城があり、城下では酒造りが盛んになっていった。なかでも会津酒造と開当男山酒造は300年以上の歴史を刻む。

4蔵の酒は南会津の水と米、県産酵母で丁寧に仕込む

4蔵による「南会津蔵の会」会長の国権酒造・細井信浩社長は、「南会津の酒は、柔らかな口当たりとスッキリとした後味が特徴。各蔵は伝統を継承しつつ、こだわりのある個性的な酒を醸しています」と話す。全国新酒鑑評会で4蔵すべてが入賞するなど、その実績が旨さを物語る。

「旨い酒を醸すため、4蔵で競い合うように、努力しています」と細井社長

<そば>風土が生み出した香り高いそばを堪能

朝晩の寒暖差が大きく、そば栽培に適した南会津町では、古くから会津在来種を栽培している。町内には14軒のそば店があり、毎年秋に行われる「新そばまつり」が有名だ。

南会津町の高地にはそば畑が点在。晩夏には白い花が一面に咲き誇る

会津田島駅前の「蕎麦 みやもり」の店主・星伊作さんは独学で得た知識と技術を活かし、故郷、南会津町で18年前に開業。店に近い畑で弟さんが自家栽培した「会津のかお」の玄そばを冷蔵庫に保存し、毎朝、使用する分だけを石臼で挽いて、丹念に手打ちをする。

香り高いそばは、もっちりとした弾力とすっきりとしたのど越し。秘伝のつゆがさらに引き立てる。「まだまだ修業中。そばは奥が深い」と穏やかに笑う。

そば好きが高じて開業。いまもそばを研究し続ける店主の星さん

蕎麦 みやもり

人気の天せいろ(1700円)。天ぷらは食べ飽きないように食材を毎日変えるというこだわりよう。
■南会津町田島字西番場甲361/TEL0241-62-3070/11時~15時、12 月〜3 月は〜14 時(そばがなくなり次第終了)、不定休

<郷土の味>アスパラガス、トマトなど 泊まって楽しむ南会津の味

南会津町には、特有の気候で育まれた特産品が多い。なかでも「会津田島アスパラ」(4月下旬~8月下旬)と「南郷トマト」(7月下旬~10月上旬)が有名だ。どちらもジューシーで甘く、地元料理人に評判が高い。

南郷スキー場に隣接するさかい温泉「会津高原 星の郷ホテル」は、町の特産品をはじめ、付近で採れた山菜や伊南川のアユなど、旬の地元食材にこだわった創作和食を提供する。料理と相性がいい南会津町4蔵の酒も取りそろえる。

「アスパラガスはみずみずしく、南郷トマトは酸味と甘みのバランスが抜群。わっぱ飯などの郷土料理や福島県産の黒毛和牛を使った料理も用意しています」と月田勇支配人。

会津高原 星の郷ホテル夕食の一例
「喧騒から離れ、料理、温泉、満天の星と田舎体験を満喫ください」と月田支配人

ホテルは名前のとおり、星空観賞にぴったりのロケーション。ホテル内の「星空広場」では、天体望遠鏡や双眼鏡で夜空を観察できる。

伊南地域の一軒宿、小豆(あずき)温泉「花木(かぼく)の宿」の夕食には、南会津産の味噌やイワナ、福島牛を盛り込んだ郷土料理など四季折々のメニューが登場する。2022年にはハイクラスの客室「離れ」をリニューアルした。深い山に囲まれた静かな地で、ゆったりと温泉滞在が満喫できる。

会津高原 星の郷ホテル

夕食はコースで提供。3種類から選べるわっぱ飯が好評だ。客室は床や家具、建具などに天然木を使用し、居心地を重視した造り。
■南会津町界字湯の入278/TEL:0241-73-2121/水曜休/1泊2食1万5850円~

小豆温泉 花木の宿

人気の「離れ」の客室(左)は、南会津町の曲家をイメージした民芸調の造り。自家源泉が満ちる大浴場は男女入れ替え(写真は「木の湯」)。
■南会津町大桃字平沢山1041-1/TEL:0241-76-3115/火・水曜休(不定休あり)/1泊2食1万3350円~

秘湯、絶景 南会津町で温泉三昧!

10か所もの温泉がある南会津町。とりわけ木賊(とくさ)温泉の河原の岩風呂や、湯ノ花温泉のひなびた共同湯は温泉ファンに人気だ。茶褐色の湯が特徴の古町温泉や、道の駅内に併設された山口温泉、標高1000メートルの高原に湧くたかつえ温泉などの日帰り温泉施設もあり、気ままに湯巡りが楽しめる。

渓流沿いにある木賊温泉名物の「岩風呂」は野趣たっぷり

【南会津町へのアクセス】
■列車/浅草から東武鉄道直通特急列車「リバティ会津」で約3時間、会津鉄道会津田島駅下車(1日4往復)
■車/東北道西那須野塩原ICから国道400・121号経由約53キロ、または白河ICから国道289・121号経由約48キロ(会津田島駅まで)
■観光の問い合わせ/南会津町観光物産協会TEL:0241-62-3000またはホームページ

※料金等すべて掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2024年4月号)
(Web掲載:2024年3月14日)


Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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