【5000円で日帰り満足旅】スイーツ、お酒、列車も!弘前でリンゴ尽くしの一日を(1)

弘前市りんご公園のすり鉢山から岩木山とリンゴの木を望む
日本一のリンゴ生産地「弘前」で、旬のリンゴ尽くしの旅を楽しむ
弘前駅中央口ターミナル近くの無人販売所をのぞくと、袋詰めのリンゴが並んでいた。いずれも大きく色艶(つや)も抜群だが、1袋(4個入り)500円の安さに驚いた。改めて、弘前市は日本一のリンゴ生産地だと実感した。そんな弘前で、旬のリンゴ尽くしの旅を楽しんでみたい。
まずは、バスに乗り弘前市リンゴ公園へ。約9.7ヘクタールの敷地内に約80品種、約2300本のリンゴが栽培され、花摘みや実すぐり(摘果)、収穫などの農業生産体験ができる。


「弘前のリンゴ栽培は、明治期の廃藩置県で失職した武士たちの就労対策で広まりました。農家の方によると、雪深く降水量の多い弘前ではリンゴ栽培が難しかったそうです。そのなかで病害虫の対策や剪定(せんてい)の技術を用いるなど、先人の努力の積み重ねで今日があるのです」
園内を案内してくれた弘前観光コンベンション協会の佐藤卓さんはそう語る。リンゴ栽培の農具などを展示した「りんごの家」や江戸期の農家住宅を見学後、すり鉢山に上ると、岩木山をバックにリンゴ園が広がっていた。一本一本のリンゴの木にたくさんの愛情が注がれてきたと思うと胸が熱くなる。



さて、弘前リンゴの味はいかに。再びバスに乗車して、弘前公園(弘前城址)まで戻り、「りんごカフェ山崎」を訪ねた。店主の山崎隆さんはリンゴ農家・木村秋則さんが妻のために完全無農薬で育てた〝奇跡のリンゴ〟を世に広めた人物でもある。
「木村さんとの出会いは1989年です。当時、レストランで弘前リンゴを使った料理を提供しようと思ったのですが、納得できるリンゴがなくてね。木村さんのリンゴを知った時は、これだ!と歓喜しました」

山崎さんは奇跡のリンゴを使った冷製スープを考案して大当たり。今も看板料理の一つになっている。近年は異常気象の影響で木村さんの生産量が減った際に協力してくれた農家の低農薬栽培リンゴも〝友情りんご〟としてスイーツや料理に使う。
ランチ後に食べたアップルパイ山崎スペシャルは、パイ生地に自家製カスタードクリームとリンゴのコンポートが載る。リンゴのシャキシャキ感とクリームの上品な甘さが後を引き、左党ながら完食した。
文・写真/内田 晃
【5000円で日帰り満足旅】スイーツ、お酒、列車も!弘前でリンゴ尽くしの一日を(2)へ続く(3/15公開)
りんごカフェ山崎


リンゴの料理やスイーツに特化したカフェ。両隣に弘前フレンチの「レストラン山崎」とテイクアウト店の「パティスリー山崎」が立つ。近年、皮むき器を使った「りんごムキ体験」1個550円を始め、話題になった。
■11時30分~14時30分/月曜休(臨時休業あり)/奥羽線弘前駅からバス6分、下土手町下車徒歩4分/TEL0172-36-0082
※公式サイトはこちら
旅の予算総額

お得なきっぷを使ってもいい
【さっパス】
◉弘南鉄道
1000円。大鰐線中央弘前―大鰐駅間の往復乗車券に、日帰り温泉「鰐COME(わにかむ)」の入浴券と買物券200円が付く。中央弘前駅、大鰐駅などで通年販売。

※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2024年12月号)
(Web掲載:2025年3月14日)