【天下取りの城へ】\ 初めての / 城巡りの楽しみ方
犬山城をはじめ、現存12天守はすべて日本100名城(写真/宮川 透)
戦国武将、天守からの眺め、御城印など、城の楽しみ方は無数にある。城巡りを始めるなら、まずは城ならではの専門用語をチェック。旅行読売2026年2月号付録の「日本100名城・続日本100名城マップ」を広げ、日本各地に点在する名城を制覇する旅に出かけよう。
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知っておきたい城にまつわる専門用語
城を歩いていると、見慣れない・聞き慣れない専門用語に触れることがある。城の成り立ちや歴史とともに用語の意味を理解すれば、より深く城巡りを楽しめるはずだ。
【山城・平城・平山城】
城の種類は、大きく分けると「山城(やまじろ)」「平城(ひらじろ)」「平山城(ひらやまじろ)」の三つ。自然の地形を生かして山を要塞化する山城は、戦が絶えなかった中世から戦国時代に多かった。高地に堀や土塁を設け、曲輪(くるわ)の中に建物を造った。敵にとっては攻めづらく、味方にとっては守りやすい反面、資材や物資の運搬が難しいため、麓に居館を構えるケースが多い。岐阜城、備中松山城、竹田城など。
平地に造られる平城は戦国末期から江戸時代に多く見られた。守備を固めるために石垣や堀を設け、高層建築である櫓(やぐら)、権威のシンボルである天守(てんしゅ)を配した。城を政治的な中心地として城下町が形成され、今も当時の町割が残る都市も多い。松本城、名古屋城、広島城など。
丘陵地に造られる平山城は山城と平城の両方の特徴を持つ。姫路城、和歌山城、松山城など。
湖畔や海岸に造られ、水運に優れた水城(みずじろ)は平城に含まれる。

忍城は利根川と荒川に挟まれた扇状地に位置する平城(写真/阪口 克)
【曲輪(郭)・本丸・二の丸】
曲輪は土塁や石垣、堀でスペースを区切り、平らに整地した空間で、建物や兵を置いた。敷地を複数の曲輪で区切るのが日本の城の基本だ。名称の由来は山上を平地にすると曲がった輪のような形になるためで、本丸や二の丸の「丸」の字にもその跡が残る。
天守や御殿があり城の中心となる曲輪が本丸で、それを守るように隣接して二の丸や三の丸と呼ばれる曲輪を配した。こうした曲輪や堀、建物の配置を決める城の設計を「縄張(なわばり)」という。
【櫓・天守】
櫓は見張り、防備、倉庫などに用いる高層建築で、「矢倉」とも書く。城主が指揮を執る天守は城の中心となり、本丸に造られた最高層の櫓のこと。安土桃山時代以降、石垣とともに広まった形式で、織田信長の安土城(あづちじょう)を初の本格的な天守(天主)とする説もある。これを手本に、織田・豊臣系の城に多く造られた。
天守は屋根の数を重(じゅう)、内部の床の数を階(かい)として数え、「5重6階」の場合、外観は5階建てで内部は6階建てとなる。江戸時代以前から現在まで残る現存天守は12城ある。

小田原城。1960年に再建された天守は3重4階(写真/三川ゆき江)
【野面積・打込接・切込接】
中世は土を盛った土塁の城ばかりだったが、水に流されて崩れる恐れがあり、安土桃山時代からは土の側面を石積みで補強する石垣の城が現れた。石垣で補強した土台の上に高層建築物の櫓を造ることで、さらに防御力が増した。石垣と櫓の普及により、日本の城郭の構造は劇的に変化した。
石垣の積み方は石材の加工具合によって3種に分かれる。自然石をそのまま積む「野面積(のづらづみ)」から急速に発達し、安土桃山時代には主要石の角や面を成形して間に小石を詰める「打込接(うちこみはぎ)」、江戸初期には石を事前に加工して隙間なく積み上げる「切込接(きりこみはぎ)」の工法が生まれた。このほか、隅の部分に直方体の石を交互に積み強度を出す「算木積(さんぎづみ)」もある。これらを組み合わせた城や、時代によって積み方が異なる城もある。

郡山城本丸と天守台の石垣は野面積。隅角部には算木積も(写真/宮川 透)
日本100名城&続日本100名城
公益財団法人日本城郭協会が記念事業の一環として、2006年に「日本100名城」を、17年に「続日本100名城」を選定。観光地としての知名度、文化財や歴史上の重要性などを選定基準に、いずれも各都道府県から1城以上が選ばれている。
<スタンプ>
城や城址を訪れた記念として押す印。日本城郭協会では日本100名城や続日本100名城のスタンプを集める「スタンプラリー」を実施している。それぞれすべて登城した人は、同協会事務局へスタンプ帳を郵送すると、「日本100名城認定者」「続日本100名城認定者」となる。
これまでに100名城は7700人、続100名城は2600人を超える認定者が誕生。スタンプ帳は同協会監修の「日本100名城公式ガイドブック」「続日本100名城公式ガイドブック」などに付いている。
<御城印>
1990年代から販売されており、スタンプと並ぶ登城記念として人気が高い。「御城印」はそれぞれの城や城址が独自にデザインを定めており、紙に城名が書かれ、城主の家紋の朱印が押されているものが多い。「登城記念証」「来城記念符」などの名称を付けている城もある。
城内の売店などで販売され、価格は300円前後がほとんどだが、季節限定バージョンなどの豪華版も。公式の御城印帳は販売されていないので、各城で購入したり、各自でバインダーやファイルを用意したりして収集するといい。

竹田城御城印
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年2月号)
(Web掲載:2026年4月24日)


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